2011/7/20 ホヤ、マンボウ、タナゴ 岩手でお魚ツアー

 先週末、遅れていた母の三回忌を岩手でしてきました。4月28日が命日なので、本当はその前で計画していたのですが、震災後の交通の回復がそこまで進まず、広島から岩手に移動できるようになったのが5月の連休の頃でした。仙台の姉、栃木の弟とも相談し、3ヶ月遅らせたというわけです。

 広島/仙台の飛行機はまだ運行再開しておらず、大阪まで新幹線で行き、大阪(伊丹)⇒花巻、というルートで、16日の土曜日に岩手入りしました。 
DSCF1580 大阪空港 W
花巻から我がふるさと水沢まではJR東北本線で25分ほどです。花巻も水沢も、内陸地域は震災の爪あともほとんど気がつかないような状況でした。(場所によるでしょうが。)


 三回忌法要は翌17日ですので、水沢到着後、お魚ツアーを試みました。ツアーといっても地方小都市の商店街の衰退は著しく、鮮魚店がいくつもあるという状態ではなくなっています。結局バイパス沿いにあるショッピングモール内の魚売り場一箇所のみ。

 この季節、狙いはもちろん「ホヤ」ですねぇ! はじめ、北海道産の天然物、一個580円というのを見つけてぎょっとしました。あぁ・・・やっぱり三陸の海はホヤの水揚げができる状態じゃないんだなぁ・・・と納得してふとその横を見ると、なーんだ、ちゃんとあるじゃありませんか塩釜産が一個98円で。でもちょっと小さいね。3個買いました。
DSCF1582 ホヤ W

 ホヤをご存じない方のためにちょっと解説いたしますと、上の赤黒い外皮を包丁で切り裂くと中から水がドバッとあふれ出てきます。これを捨てないで確保。外皮をむくと中に黄色というかオレンジ色というか、そういった色彩の肉の袋状の本体があります。これを食べるわけですね。腸(?)に泥のような異物が詰まっていたりするのでていねいにこれを除去、なるべく水道水で洗わずに処理するのがヨイとされています。

 で、適当な大きさに切って、先ほど確保しておいたホヤ体内の水(ガーゼやキッチンペーパーで汚れを漉す)に浮かべると、こうなります。
DSCF1601 ホヤ W
ああ、一年ぶりのホヤ! 大変けっこうです。 でも、ちょっと小ぶりなためか、肉の厚さとか、噛み締めたときのジンワリ来る甘さとか、今一歩最高の状態にとどかないかな、という感じですね。


 さて、ホヤをゲットして一安心した私の目に入ったのがこれ、マンボウです。漢字で書くと「翻車魚」・・・ンー、どういう意味なんだろな?
 マンボウの刺身用サクが何気なくスーパーに出てくるのがいかにも東北です。
DSCF1586 マンボウ 刺身用サク W

 マンボウは包丁を使わなくても、手で筋肉の繊維にそって裂くことができます。こんな感じの刺身になりました。マンボウ自体の味、というのはほとんど無くて、その独特の歯ごたえというか舌触りというか、味覚よりも触覚で味わう魚のようです。
DSCF1603 マンボウ刺身 W
後ろの酒は、七福神の500ml瓶、岩手の石鳥谷(いしどりや)町の銘酒です。


 さてホヤにマンボウだけでも、広島在住のアナゴとしましては十分お魚ツアーを満喫できたのですが、この日はさらに変わった獲物が。

 タナゴです。正式にはウミタナゴ。
DSCF1592 タナゴ W
 卵胎生の魚で、お腹の中で稚魚を孵化させます。この個体も20尾ほどの稚魚をお腹に宿しておりました。
 普通塩焼きにする魚、というイメージで見ており、ほとんど買う気を起こさせない数少ない魚の一つなのですが、この日見たのは大きくて、肉厚。しかも一尾98円という値段。で、ふとこやつを刺身にできないか?という「何でも刺身教」の神様のささやきが耳をかすめたわけですね。

 やってみました。こんなきれいな刺身になりました。脂も適度に乗っており、神様の教えは間違っていなかったことを確認しました。
DSCF1597 タナゴ刺身 W
あとでボウズコンニャクさんの「市場魚貝類図鑑」を拝見したら、やはりウミタナゴの刺身の意外な美味さを述べておられました。
 以上、母の三回忌の前日にナマグサツアーを決行するという親不孝者の報告でした。


 少しふるさとの山を紹介しましょう。

 このたび平泉が世界遺産に指定されまして、まことに慶賀に堪えません。その平泉の、北上川を隔てた対岸にある「束稲(タバシネ)山」です。平泉全盛期にここを訪れた西行が、「ききもせず 束稲山の さくら花 吉野の外に かかるべしとは」と詠んだそうです。 
DSCF1614 束稲山
 水沢からちょうど真南に見える山で、子供の頃は「あの山の向こうに東京があるんだ。」というイメージで見ていました。

 一方、水沢を含む胆沢扇状地を形成した胆沢川を西にさかのぼると、この焼石(ヤケイシ)連峰に突き当たります。
DSCF1615 焼石岳 W
1500メートルを超える山で、七月でもわずかに雪渓が残っているのがおわかりでしょうか。

 田んぼのアートです。
DSCF1637 田んぼのアート W


 そして、花巻空港から見た早池峰(ハヤチネ)山です。宮沢賢治の世界ですね。
DSCF1645 早池峰山 W



 一年ぶりのふるさと、震災の影響はあまり目に付かないところまできた内陸地方ですが、三陸沿岸は夏になるに従い、冷凍庫の魚類が腐敗し、悪臭やハエの大量発生などあらたな事象も起きはじめているとのこと。一瞬も絶えることのない感覚。現場の方の苦しみはいかばかりでしょう。





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No title

「田んぼアート」、すべて稲でできているとか、見事なものですね。

本場の“ホヤ”、美味しそうですね。
ホヤのツユも捨てずに使う…さすがですね。

“タナゴ”のお刺身ですか、骨がうるさいように思っていましたが
そうでもないようですね。

“マンボウ”、室蘭の海にも漂うように泳いでいますが、
あのつぶらな瞳で見つめられると…とても捕まえられません(困)。
ただ、「サク」で売られていたら、きっと買うと思います(^_^;)。

震災の現実と美しい自然。
少し悲しい気持ちです。

No title

広島⇒岩手・・お疲れ様です。

マンボウが売っているんですね!
一度も食べた事がないです。
そちらの食文化なのでしょうね。

岩手は平泉が世界遺産になり、いつか訪れたいと・・
(東北はこれからが大変だと思いますが・・)

No title

はるさんさん、こんにちは。

タナゴの刺身!
私にとっても久々の発見でした。
骨はまったく気になりませんでしたよ。

タナゴは室蘭でも釣れますか?
幸か不幸か、あまり話題の主になるという魚ではないですよね。
でもホントにおいしい魚!
おすすめです。


No title

こてつぱんさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。

是非、平泉においでください!!!
ランチは前沢牛で、その晩は花巻温泉で一泊、どうでしょう。
で、翌日は盛岡で冷麺を堪能して、・・・、とか。

被害甚大な三陸沿岸各地でさえ、それぞれに活動再開の息吹めざましく、鮮魚料理自慢の民宿とか、震災被害をかろうじて免れた地酒蔵元とか、それぞれに自分の力で立ち上がるべく活動を始めているようです。
どうぞ遊びに来てください。
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